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駐車場の前に差し掛かった。
「栗本さんの自転車あるね」
ベンチの横にポツンと。
「あぁ、アイツは帰り、早いよな。
3年だからってワケでもなく」
「結局、部活入らなかったんだっけ」
「確かそう」
ラインのIDを知らない時点で、ひょっとして、とは思ったけど、
陽翔くんは栗本さんのことをあまり把握してないようだった。
「コース選択は何だろう? 」
「国立文系コースだと思ったけど。
櫻樹って2年からコース別れんだよね。
確か2年のときそんなこと言ってたな。
どこの大学狙ってるかまでは知らない」
「そっか… 」
「ん?
栗本のこと知らな過ぎるかな?
確かに一緒に登校してたけど
自転車で坂道下りながら、会話してなかったよ。
俺のこの自転車、下りだと結構うるさいんだ」
「そう言えばそうだね」
並走していても、話している様子はなかった。
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