高校3年生

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  「告白の返事も、そのとき欲しいんだ。  さっきの “ありがとう” じゃないよ。  怖いけど、答えて」 もう一杯一杯だ…。 さっき、返事について考えた私は、 ハンコやサインといった受領の意味から、一歩進めて、御礼を返事としたのだ。 「答えるって、それ以上、何を?! 」 「はぁ?  誰かから好きだと言われたら、自分はどう思ってるのか、答えるのが流儀なんだよ! 」 「流儀!?  そんなの知らないよ! 」 「はぁ!? 」 自分が陽翔くんをどう思っているか、なんて、もう誤魔化し切れないほど、明々白々だ。 小さな頃からここ(雑木林の中のつづら折りの坂道)で、 さっき見た駐車場わきのベンチで、 そこかしこで心が震えたのは、陽翔くんのことが好きだったからだ。 そして、さっき女豹化したのだって、好きだからこそ。 それを陽翔くんに伝えるのが “流儀” なのだとしたら…。 そう思った瞬間、 栗本さんに自分の気持ちを指摘されたときに感じた恐怖感が私の全身を覆った。 伊月くんに抱きしめられたときと同じ感触。 もしも答えたら、私はどこかに消えてしまう。
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