高校3年生

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  「(まあ)、何かあった?  顔色が悪い気がする。  この電灯のせいってことじゃなさそうだね」 伊月くんが陽翔くんを睨んだように見えた。 「俺のせいだよ。  俺が莉花ちゃんに告白して、返事を聞きたいって、困らせたんだ」 「いや、陽翔くんのせいじゃないよっ」 伊月くんはハッとした顔をすると、 「下で回してくる。  陽翔、(まあ)んちの前で待ってて」 と言って、坂道を下って行った。 伊月くんは第一駐車場で車の向きを変え、今度は坂道を登り、私の家の前で陽翔くんを拾うのだろう。 でも、ガレージに自転車を入れている間にやって来ると思っていた伊月くんの車は、なかなかその姿を見せなかった。 スマホを見ても連絡がなくて、 電話しても伊月くんは出なかった。 陽翔くんもしばらく待っていたけれど、 「俺、行くね。  莉花ちゃん、また明日。  それから、返事のこと、さっきは強い口調になってごめん。  急いでないから。  でも、流儀は忘れないで」 そう言って、登山道に入っていった。
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