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「ただいま」
家に入ると、飛ぶように出て来た母に、帰宅が遅くなったことを謝り、
道すがら伊月くんとすれ違ったことを話した。
「さすが伊月くん」
母は伊月くんが車を出したことに感心していたようだった。
すれ違っただけで、その後、会えてないのだけど。
「あ、そうそう、なんで遅くなったの? 」
「カラオケに行ってた。
陽翔くんと佐藤くんと」
「は、ると、くん? 」
「うん。
そうだ、お母さん、
伊月くんに私の帰宅が遅いとか、連絡するの、やめてくれないかな」
「え? なぜ? 」
「迷惑になる」
「そう…。
何かあったら連絡下さいって、伊月くんの方から言われてるんだけど、そうね、……」
考え事をしている母を前に夕食をいただき、
帰宅した父と学校の話を少ししてお風呂に入った。
《茉莉花ったら、陽翔くんと放課後、遊んでたんですって。
佐藤くんも一緒だったらしいけど、とうとう雪解けかしら》
《エッ! そうなんだ!?
で、遊ぶって何して? 》
《カラオケですって》
《……勇気あるな。二人とも》
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