高校3年生

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  「ただいま」 家に入ると、飛ぶように出て来た母に、帰宅が遅くなったことを謝り、 道すがら伊月くんとすれ違ったことを話した。 「さすが伊月くん」 母は伊月くんが車を出したことに感心していたようだった。 すれ違っただけで、その後、会えてないのだけど。 「あ、そうそう、なんで遅くなったの? 」 「カラオケに行ってた。  陽翔くんと佐藤くんと」 「は、ると、くん? 」 「うん。  そうだ、お母さん、  伊月くんに私の帰宅が遅いとか、連絡するの、やめてくれないかな」 「え? なぜ? 」 「迷惑になる」 「そう…。  何かあったら連絡下さいって、伊月くんの方から言われてるんだけど、そうね、……」 考え事をしている母を前に夕食をいただき、 帰宅した父と学校の話を少ししてお風呂に入った。 《茉莉花ったら、陽翔くんと放課後、遊んでたんですって。  佐藤くんも一緒だったらしいけど、とうとう雪解けかしら》 《エッ! そうなんだ!?  で、遊ぶって何して? 》 《カラオケですって》 《……勇気あるな。二人とも》
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