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お風呂に入りながら考えを整理した。
陽翔くんは11年超、私への気持ちを友人たちに隠していた。
私は同じ期間、自分をも誤魔化していた。
なぜ誤魔化していたのか。
陽翔くんを好きだと認めると、自分がどこかに消えてしまい、陽翔くんと二度と会えなくなるような、そんな感覚がしたからだ。
誰かの腕にキツく拘束され、そのままどこかに連れ去られていくような、そんな怖さ。
伊月くんの腕の中の感触と似ていた。
「独りよがりな発想だ」
でも、私が陽翔くんの思いに応えられない理由を、伊月くんは知ってるような気がした。
「小2のとき何があった? 」
次に伊月くんの車に乗ったら、聞いてみよう。
それを済まさないことには、
陽翔くんの言う流儀を完結できないと思った。
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