プロローグ

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プロローグ

  山間(やまあい)にある小さな神社の境内は、山の稜線と木立に日の光が遮られ、まだ昼間だというのに、ほの暗い闇に包まれていた。 見頃を終えたジャスミンの残り香があたりにたち込めている。 その石畳の参道で、 拝殿側からやってきた中学生くらいの少年と、 二の鳥居をくぐってきた小学校低学年くらいの女児が、向かい合っていた。
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