プロローグ

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゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚ 参道では、振り返った少年の目が大きく見開かれていた。 「茉莉花は随分大きな声が出せるんだね。  ……本当は陽翔(はると)会いたさに、ここに、来た? 」 「え?!  えーっと…、…うん! 」 「うん!って…  さっきまで、駐車場のベンチでくっついてたのに? 」 「え? くっつく?  座ってお話してただけだよ。  でも、神社に帰っちゃうと陽翔(はると)くん、絶対降りて来ないし、  わたし…、わたし……」 血相を変えた少年が慌てて女児に近づき、その口を手で塞いだ。 「茉莉花、もう何も言うなっ、  嫌な予感しか、しないよっ」 「お、お、ぉお、大きくなったら、  は、はー、陽翔(はると)くんの  お嫁さんになるぅ……ぅ」 女児が、少年の指の隙間からそう(うめ)いた。 でも、その声は、 今度は少年の耳に届いただけだった。 「…こっち来てっ! 」 少年は女児の手を勢いよく引くと、 二の鳥居をくぐり抜け、石段を一気に駆け下り、一の鳥居の下まで走り出た。
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