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そして俺は数え切れないほどの10秒を繰り返した。
いくら体系的にと雖も、この空間と時間ではやることは限定的だ。
だが、幸か不幸か、それが俺の行動範囲と選択肢を狭めた。
つまり、俺はもう全てをやり尽くしたのだ。
一縷の望みにかけるモチベーションは崩壊した。
それでも時間は繰り返される。
また次の10秒が始まる……
「ねぇ、今日この後時間ある?」
「ああ、何度も会ってるお前なら知ってるだろ?この『千本ノック』これやるよ」
(またお前か……もう見飽きたよ)
「千本ノック……君か、先生が言っていた邪魔な存在は」
(!?)
「時間、ないんだろ?どうして欲しい?」
「……もう充分生きた、殺してくれ」
「わかった、何か言いたいことは?」
「先生に、いつか此処から出て、あなたに報復すると伝えてくれ」
そして、また新しい10秒が繰り返され……る?
END
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