のばら

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海までは、学校から自転車を飛ばせば20分もかからずに着く。 「海だーーーーーーっ!」 もう数えきれないくらい来ているのに、のばらは今日も叫びながら靴と靴下を脱ぎ捨てた。 「危ないよ、ごみ踏んだら足切っちゃうよ」 あたしもいつもと同じ声がけをしてしまう。 海岸はごみだらけで、中には缶やガラスの破片もあり、裸足で歩くのは危険だ。 なのに、 「平気でーすっ」 のばらは笑って、波打ち際へ駆けてゆく。 その豊かなポニーテールが揺れるのを、あたしはまぶしく見つめていた。 いつまでこうしていられるのだろう、と思いながら。
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