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幸せな毎日
そんなある日、ふと鏡を見ると
鏡の中の顔がニタリと笑った
「きゃああああ」
「幸せそうね、空っぽの私」
「なに、なんなのあなた!空っぽって…」
鏡の中の私はこちらに顔を近づけて続けた
「あなたはここに、自分の全てを捨てていったのよ?毎日毎日ひとつずつね」
「何を言っているの?!」
「私が、あなたの中身の全て。あなたが捨てた全て。だから今のあなたは空っぽ」
「うるさいっ!」
私は怖くて、黙らせたくて、そばにあった置物を鏡に投げつけた
鏡は音を立てて、細かく砕け散った
「…あなたは今、自分を消したのよ…」
微かに、そんな言葉が聞こえた気がした
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