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私には誰にも言えない秘密がある。
『絶対にお前だけはオレが常に護ってやる!』
私の真後ろで浮いているミナトが生きていた時には見せたことのない笑顔を振り撒きながら話かけてくる。
そう、私にはミナトという少年の霊が取り憑いているのだ。
『俺、アカリの為なら死んでもいいよ!』
いや、アンタもう死んでるじゃん。思わず口にしそうになったが我慢できた。
こっちは授業中なんだ、静かにしてろよ。そう思い睨み付けるが効果なし。
『絶対俺の側から離れるな』
むしろ離れて下さい。
ミナトが死にたがりだと知っていれば私は助けなかったのに……。
あの日、初めて出会った時はミナトはまだ生きていた。……というより、私が空から降ってきて海で溺れた彼を助けたんだ。
『なあ、アカリの席から見える海が綺麗だな』
アンタが溺れかけた海だよ。
うるさいから早く成仏してくれ。
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