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やっぱり今の状況はおかしいと立ち上がろうとしたら比較的近い場所で膝をついて腕を拘束されているお兄さんの一人が「ねこちゃん、俺たちは大丈夫だから。」と殴られて痛そうな顔で笑顔を作ってくれたから僕は我慢して座りなおした。
何を待っているのか、そのまま僕は待たされた。お兄さん達も手当てもされずそのままで、何で僕は弱いんだろう。何で何も出来ず座っているんだろう。と悲しくなった。
我慢していた涙もそろそろ限界だと思った時「遅くなってすまん。」そう言って教室に入ってきた人はいくら僕でも知っている先輩で、風紀委員の委員長だった。けど、何故ここに委員長までもが来るのかわからない。
さーっと、モーゼのように開いた道を歩いてくる委員長が僕の前に立つと「すまなかった。」と頭を下げたので、僕も頭を下げた。
僕の前にパイプ椅子を持って来て座った委員長はもう一度頭をさげ「遅くなってすまなかった。俺の判断の遅さがこんな事になってしまい、どう謝罪していいかわからない。」と僕に謝った。
僕は何で委員長が僕に謝っているのかわからないし、とにかく拘束されているお兄さん達を放して怪我の手当てをして欲しかった。だいぶ時間もたってしまったので、血も固まってきているだろう。腕も足も痛いだろう。
「とりあえず、彼らを…。」
そう言いかけると委員長はまた、すまないと謝ったあと先輩たちにお兄さん達を連れて行くように指示をだした。
保健室に連れて行って貰えるとやっと僕は安心し、身体の力を抜くように小さく息を吐いた。
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