神野桜という女

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「そうなんですね、、、アイス、美味しいですよね。えと、連絡先聞いてもいいですか?」 「いいですよ。」 まるで営業か何かのやりとりだろうか。 桜は堅苦しい自分自身にため息をついた。 交換し終えたタイミングで、友人の綾乃がトイレから戻ってくる。 「いやぁ、人多いね~。少し捕まってたぁ。あら、どうも。」 「じゃ、帰ろっか。」 「え、帰るの?まだ私飲んで、あれ?私の梅酒は?ちょ、桜?!待ってよ~。」 桜はすかさず店を出た。 男は携帯のディスプレイをタッチした。先程交換した連絡先が浮かび上がる。 「さくら、、、」 呟いてみた先に、彼女はもういなかった。
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