神野桜という女

6/28
前へ
/28ページ
次へ
着信音が鳴るのに間はなかった。しかし、桜はすぐには取らない。いつも5、8回コールを待つ。 「、、、もしもし、ゆうくん。」 「もしもし、さくら。」 「へへへ。」 さっきまでの冷静沈着なあの女はどこにいったのか。と突っ込みたくなるほど、甘い声をこぼすこの桜が、第一印象を覆す本性である。 直に明らかになるが、彼女の中身は甘やかされて育った寂しがり屋でかまってちゃんな夢見る乙女。しかし見た目は中身と正反対の容姿を纏い、男さえも羨ましがる美形の持ち主。正直、美人としか口にしない男性陣が正しいのである。それを手懐ける結城という男がいた。しかし、結城は桜の容姿を知らない。 「さくらの声は可愛い。本当に癒される。」 「へへへ。癒します。ゆうくん、、、?」 桜は心から照れた。 「なに?」 「なんでもない。」 「なんだよぉ」 読者の皆さん、どうか反吐がでるのを抑えてほしい。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加