先生の誕生日。

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「ここは、沙織にプロポーズした場所だ」 「えっ……?」 心配がドクッと大きに高鳴った。 まさかの言葉に動揺してしまう。 「アイツのお腹に睦月が居ると分かり 駆け落ちをした。 俺は、大学を辞めてバイトをしながら 小説家を目指していた。 苦労させるのが分かっていたから せめてちゃんとした形でプロポーズするために ここに来たんだ。 海津に頼み……今日みたいにな」 先生……。 じゃあ私は、先生と同じ事をしていたってこと? だとしたら……私。 「あ、あの……すみませんでした!! 私…そこまで知らなくて。 余計に先生を苦しめる事になってしまって あの本当に申し訳ありませんでした」 慌てて立ち上がり頭を下げた。 私の馬鹿。 なんで、そこもちゃんと リサーチしておかなかったのよ!?ってか 浜野さんも教えてくれてもよかったのに。 すると先生は、 「謝る必要はない。 いい機会だったのかも知れんな」 「えっ?」 先生の方を見ると怒っていなかった。 むしろ少し柔らかい表情をしているように見えた。
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