奥さんの想い。

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生きているのだと実感する。 涙が出るほど、嬉しさが込み上げてきた。 しかしすぐにハッとする。 「そうだ。白雪は? 白雪は、無事なんですか!?」 私は、必死に質問する。 「……白雪。無事だよ」 間に挟まっていた睦月君がそう言ってきた。 「あぁ、無事だ。 さすがに病院に連れて行けないから 家で留守番させているが……ったく アイツを助けるために車の前に飛び出すとか アホな事をしているんじゃねぇ-よ! 死ぬ所だったんだぞ。 生きてたからいいものの……」 「もし沙織のように死んだら 許せねぇーからな!?」 怒鳴るように説教してくる先生。 しかしその表情は、今にも 泣きそうなぐらい切なそうだった。 沙織さんの言葉を思い出した。 私も……先生に笑って欲しい。 これからもずっと…。 「……ごめんなさい。でも私は、死にません。 先生よりも長生きするので そんな悲しい顔をしないで下さい」 真っ直ぐと先生の顔を見て言った。 「誰が泣いているんだよ?」
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