小さな王子様。

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「どうしてですか? 雪城さんだと仕事も家事も完璧で 私なんかよりずっと編集者に向いているのに」 むしろ外されるのは、私だと思っていた。 「俺が必要な編集者は、 仕事の出来る奴ではない。 安心して大切な原稿と睦月を任せられるような奴だ。 現にアイツが来てから睦月の食欲が半分に減った」 む、睦月君の食欲が!? あんなり食欲旺盛な睦月君なのに。 「どうして?」 「まぁ小さな反抗だったのだろうな。 お前を蔑ろにするし アピールが酷かったからな。 食事の事もだが今日みたいな事が遭っては 仕事にならん。 明日にでも編集長に言って雪城を担当から外す。 お前もいいな?」 先生は、そう言ってきた。 睦月君もコクりと頷いている。 あれ? だとしたら私は、どうなるのだろう? 「あの……だとしたら私は、 どうなるのでしょうか?」 まさか、私まで? 「お前は、いつもの通りに 俺の担当編集者だろーが。 睦月もそれを望んでいる。あ、あと。 アパート修復したんだってな? めんどくさいから さっさとそのアパート引き払え」 引き払えって……!?
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