小さな王子様。

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あの後。 睦月君は、喋り過ぎたせいで熱を出してしまった。 申し訳ないことをしてしまった。 ごめんね……睦月君。 後で聞いた話だと先生は、私が飛び出した後 追いかけてくれたが私が梨子と 電話で話しているのを聞いていて。 自宅に行くと聞き あえて声をかけなかったそうだ。 そして雪城さんは、 あれから先生の担当から外されることに。 つまり私も教育係ではなくなった。 雪城さん本人は、不服として編集長に猛抗議したが 『蓮見先生のお子さんの機嫌を損ねた』 『子供扱いが下手過ぎ』などと 逆に自分の評価を下げてしまったらしい。 ある意味、申し訳ないことをしてしまった。 確かに先生の言った通り無闇な理由で 担当を外していたら 私も自分の評価を下げていたかも知れない。 改めて先生は、凄い人だと思った。 そして私は、いつもの通りに 先生の担当編集者として 毎日奮闘することになった。
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