小さな王子様。

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「睦月君。ごめんね。 オムライスの形が上手く作れなかった」 またもや形が微妙な失敗した オムライスになってしまった。 なかなか雪城さんみたいに作れない。 しゅんと落ち込んでいると睦月君は、 「大丈夫。お姉ちゃんのは、形が微妙でも その分、愛情がいっぱい詰まっているから」 何とも可愛いことを言ってくれた。 「まぁ……そうだな。 だが、俺の方が上手く作れるな」 「あ、先生。酷い……。 なら先生が作って下さいよ~」 「アホ。それは、お前が作れ」 先生の方は、たまに意地悪を言う。 でも、ここが私の居場所になっていた。 そして再来年の春。 桜の季節になり 今日は、幼稚園の卒園式か行われた。 睦月君は、4月から小学生になる。 早いものだ。 あんなに不安だった先生の担当になってから 2年が過ぎようとしている。 今だと家族のような生活を送っていた。
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