2. 博士課程1年・4月・中旬

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2. 博士課程1年・4月・中旬

2. 博士課程1年・4月・中旬 「『エコロジカル・フットプリント』、この中にいらっしゃる方々のほとんどが、この言葉を初めて聞くと思います。『カーボンフットプリント』、『ウォーター・フットプリント』、――このセッションに参加しているからには、知らないとは言わせません。僕が最初に申し上げた、フットプリントも、後の二つと同じように、環境負荷を把握するための指標です。では、それらと、今回のフットプリントは、何が違うのか?それは、『エコロジカル・フットプリント』は、耕作地・牧草地・森林地・海洋淡水域・生産能力阻害地・エネルギー地の六つのフットプリントから構成されていることに、違いがあります。しかも、この単位は、『面積』なのです。みなさん、お分かりでしょうが、ウォーター・フットプリントは海洋淡水域、カーボンフットプリントはエネルギー地に対応しています。そう、これは、既存の二つのフットプリントを包含した、総合的な環境指標なのです。それは、実に簡単な考え方です。小麦一トンのフットプリントは、小麦一トン分の作付面積。牛一頭のフットプリントは、それの生育に要した牧草地の面積。当初は、そのような概念でした。いわゆる、コンパウンド法というものです。しかし、僕達が、消費に至るまでには、収穫・加工・輸送など、エネルギーなどの中間投入の概念が必要となります。これは、コンポーネント法と言われています。しかし、その算出範囲をどこまでにするのか、という範囲の検討や、ダブルカウントしてしまうというリスクがあります。実際に、面白い事例があります。同じ面積で、露地栽培とハウス栽培、ど??
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