魔女の処刑台

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 あたしの話はこれでおしまい。少しは楽しんで貰えたかしら。  愛なんて必要ないの。よくわかったでしょう?愛があったから、あの人は狂ったのよ。余計なものばかり見えて、苦しみながら研究を続ける羽目になったの。だからそんなもの必要ないわ。ね、わかるでしょう?  ……なんですって?どういう意味?あたしは愛を知っているって…なにそれ?  あたしが彼女に対して怒ったのは、彼女が自分と同じものを見ていなかったことに気がついて寂しかったからじゃないのって?彼女のことを愛していたからこそ、裏切られて怒ったんじゃないのかって?……彼女の心を一番に占める存在が、自分ではなく人間の名前も知らない男であったことに嫉妬したんじゃないのかって?  お前も、結局、愛という名の処刑台に送られた一人だろう、って?  ………。  …………。  うふふ、あははは、きゃははははははは!はははははは!  やっぱり貴方、面白いことを言うのねえ!的外れすぎてお腹捩れちゃいそうだわ、何をわけのわからないことを言っちゃってるのかしら?  この、人間の悪意から産まれた災禍の魔女が!愛なんてくだらないものを感じて、嫉妬なんてするわけないじゃないの!淋しい?悲しい?くっだんないわ!本当にくだらない!!  ああ、それとも、もうすぐ死ぬのが怖いから、頭おかしくなっちゃったのかしら?うんうん、そろそろ苦しくなってきたわよね。腕も、足も、胴体も――時間を過ぎれば過ぎるほどどんどん締め付けていく、あたし特注の拷問椅子の味はどう?安心して、内臓を潰すよりも、貴方の手足が砕ける方がずっと早いから。きちんと苦しみぬいて死ぬことができるわよ。  愛なんて酔狂なものを信じて、ここまでオトモダチを助けに来てしまった勇敢なボウヤの末路としては最高にクールよね。  うふふ、最後まで、たっぷりあたしに見せて頂戴ね、その苦痛に満ちた顔。  そのくだらない、愛なんて幻想が、粉々に砕け散る――その時まで。
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