第五話「再会」

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 自分達の能力、セシリアという美しいヴァンパイアのこと。  戦いに敗れて一度死んだレイを、ライナスが千年の歳月をかけて復活させたこと。  そして子供の姿で復活した彼を、ずっと守って来たこと。  吸血鬼は英語でヴァンパイアだが、人間からヴァンパイアに変異した者をヴァンピールと区別して呼ぶこともある。  吸血鬼のフランス語読みだが、これは中世に、フランスで大量のヴァンピールが誕生したことに拠るらしい。  変異によって吸血鬼になった者は伝承の怪物同様に血を欲するが、自分を変異させた者の血を与えられることで血への欲求は消える。  また、生まれながらにヴァンパイアであるレイやライナスには、元々血の欲求はない。  しかし血が命と力の源であり契約の印であることは間違いなく、レイは真面目な顔で「君の血にはヴァンパイアにとって黄金以上の価値がある。だから絶対に、自分の血に癒やしの力があることは秘密にしろ」と言った。  レイがヴァンパイアについて話したのと同じくらいに、いちかはレイに自分のことを話した。     
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