出奔

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 「みんな辛いと思っているけど、割り切って働いている」  ぼくには分かりません。なぜ、辛い中、自分に鞭打ち「割り切って」まで働かなければならないのか?その辛さの中に、一片の楽しさも、うれしさも無いのに?  生活のため?生きていくため?でも、そんな人生は辛く、苦しいものです。なぜ、そんな辛く苦しい人生を甘受してまで、生きる必要があるのだろう?「生きる」とは、そんなに辛いものでなければならないのだろうか?ぼくには理解出来ません。  もし、  「人生とはそういうものだ!はな垂れ坊主がナメたことを言うな!」  と言う人がいたら、ぼくは聞きたい。なぜあなたは、人生とは辛くあるべきと決めつけるのですか?  あなたの経験から?でもそれは、あくまで「あなた」の人生だ。「ぼく」のものじゃない。  過去に生まれ死んでいった者達の教訓から?でもそれは、「過去の人達」の人生だ。「ぼく」のものじゃない。  だから、あなたたちがそういう人生を歩んだからと言って、ぼくもまたそういう人生を歩まなければならない理由が、ぼくには分かりません。
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