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大方のことは語り尽くしたのう。
俺は、慶空に『人里にて息抜きせよ』と言われ
玄翁に『学ぶが良い』と、人里に出されるようになった。
今は、桃太殿が構えた
“萬相談所” などの所員でもあり
報酬に、幾らか 人里の銭も貰うておる。
冬には榊に、ストールなどを買うた。
首の紅き線が目立った故。
泰河が 里にスマホを置き
『触るうちに慣れる』と、俺に言う。
『浅黄』と、朋樹から文字が入り
『飯に行くから、展望台に来い』などと
誘われたりするのだ。嬉しくある。
『ツレだからな』と、二人は言う。
共に遊ぶ仲であると。榊抜きでもじゃ。
クリスマスには、教会にも行き
伴天連のジェイドとも会うた。
一の山の向こうの集落にて、哀しき異形を
放たれよ、安らかなれ と 打ち据えし時は
あまり話せぬであったが、ルカとも。
世界とは、広きものである。
繋がりを持って拡がって行くのだ。
うむ。よう語ったものよ。
これ程 自分のことを語ったのは
これで、二度目であろう。
俺には、異国の神の友がおる故。
その者のことを語って、終いにしようと思うが
良いであろうか?
うむ。まずくとも勝手に語る。
どうも 厚かましゅうなってきたのう...
慣れるとこれじゃ。狐は甘やかすと ならぬのう。
多少なついてしもうたようじゃ。
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