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Outline 0-3
人間の住まう“灰白色の大陸”のある街に、白衣を纏った長身の人物が訪れる。
その正体は人ならざる存在であり、何らかの目的を持って街の門の先にある“多軸回廊都市”なる場所に侵入しようとしていた。
ところ変わって、あらゆる自然エネルギーの流れ“龍脈”が生ずる絶海の孤島“アズールフロント”。
脈の源である古龍王の骸の一つが喪われた結果、全域が異常な現象に見舞われている。
“深き皎森”の若き孤高の貴晶龍・アイリドシラーは、渡海してその原因を排除すべく友・フレアゲートと冒険に乗り出す。
彼らはかつて、“微睡む銀嶺”なる土地の支配権を巡って激闘を繰り広げた末敗北した龍の骸より生まれており、敗者という存在を蔑む者からは、それだけの理由で軽んじられていた。
種族全体を救う功績を上げた暁には、そうした連中を見返すことができると考えてのアイリドが主導した行動だった。
しかし、入り江にて貴晶龍を呑み込み消滅させる霧に遭遇した挙句、かつてない狂暴化と巨大化を遂げた獣“賤鉱龍”の、自分達に似た容姿を持つ“弌型”に発見される。
遁走しつつ撃退する機会を窺うが、弌型は予想外にも自分たちと同じように龍脈に由来する力“氣”を操り、地面を崩落させる。
落下した先で更に二体の弌型に襲われ、奮戦虚しくアゲートが死亡する。その悲憤のあまりアイリドは暴走して三体を屠るが、自身も死に瀕する。幸運にも何者かに救われたが、そのことは知らないままであった。
王によるアゲートの葬祭の後、アイリドは彼の死を無駄にしないと強く決意する。
彼は少ない理解者であり王の代理者でもあるシアコーラルの力を借りて資料を探し、霧に対抗する策を“大霊廟”の王・コクーンアンバーなら開発しているという確信を抱く。
かくして、彼は遥か西方にあるかの王の領域を目指すこととなった。
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