第二章 指名手配犯の騎士

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「わからないな……どうして赤軍が塔の結界師や一般人であるはずの母さんを殺したんだろう?」 「そもそも、お前は何者だ?」 「シャルルだよ」  不本意なことにお前呼ばわりも定着しつつある。僕の返答に呆れたティファニーはため息をつき、再び聞く。 「そういうことではない。シャルル、お前はなぜ塔に住んでいた? なぜ地下から出ることを許されなかった?」 「それは僕が聞きたいくらいだよ。教育課程とかなんとかで、僕はずっと地下の書庫の本から学ぶことを義務付けられてた。妹は学校に通っていたけど、それでも学校は塔の中で、塔の敷地外には出られなかったみたいだ。妹から聞いた話では、他の生徒も同じように塔の外には出られないらしい。北東の塔にも何人も人が住んでいるんだろう?」  ティファニーは僕の話を聞き、少なからず驚いているようだった。僕は何かおかしなことを言っただろうか。ややあって彼女は答える。 「確かに、私のような身寄りのない塔の労働者は塔の敷地内に住居スペースが与えられるが、外との行き来は自由だった。もちろん塔の外に帰る家のある者は勤務が終われば帰るし、塔の中に学校もない。塔から出るのを禁じられていたのは姫様だけだ」     
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