第二章 指名手配犯の騎士

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 ティファニーが肯定してくれたのをいいことに、ミシェルを一緒に探してもらう約束を半ば強引に取り付けた。僕の勢いに絆されたのか渋々要求を飲んでくれたが、もしかすると彼女にとってはそのような利害関係で結ばれていた方が都合がいいのかもしれない。  さて、そうと決まれば僕は彼女の潔白を証明する手段を考えなければならない。広大な竹林でミシェルを探し回りながら、どうしたものかと頭を悩ませる。しかしミシェルは一向に見つからず、ティファニーの無罪を実証するための有効そうな手立ても思いつかないまま、その日は暮れてしまった。  彼女は捕まるのは時間の問題だと言っていたが、果たして翌朝になっても、指名手配犯を探す軍人や民間人が現れることはなかった。 「さすがに遅いな。塔側では私の居場所は把握しているはずだが」 「そうだったのか!?」     
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