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しかし見えなくなるだけで実体は存在しているため、迷彩魔法が施された本人及び他人も触れることはできる。次第にミシェルも気付き反撃するようになり、楽しみは減りいつしかその遊びもしなくなっていった。
したがって肩と肩が触れ合うほど人でごった返しているような通りは歩けず、人気の少ない道を選んで進むことになった。塔までの道のりはティファニーに先導してもらった。魔法をかけた張本人である僕には、彼女の姿が水晶体のように透きとおって見える。
僕は初めて生身で歩く街中に感動していた。あたり一面、北東の塔のデザインと画一化された木造建築が立ち並んでおり、その屋根は灰色や黒い色をした瓦が敷き詰められている。石畳の道路は直線状に整備され、時折どこからともなく食欲をそそる匂いがする。
僕らが歩いたのは人通りの少ない裏路地だったがそのような場所にあえて佇む隠れ家のような店もちらほらあり、その魅力に思わず立ち止まって食い入るように見てしまいそうになる。そのたびティファニーに小突かれ、渋々歩みを進めるのだった。
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