男②①

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男②①

独身女は閃いた。 絶対に、この技は使える! 大企業が集まる大都会の、ランチタイムを狙って、ビルディングをウロウロする。 自分のタイプの殿方を見付けたら、 「お忙しい所、すみませ~ん。ここへ行きたいのですが、分からなくてぇ~。」 スマホを見せて近寄って行く。 殿方は、覗き込んで近付く。 そして、「その方向へ行くので、一緒に行きましょう。」 女は、「えっ!?良いのですか?ありがとうございます。」 そして、目的地へと着く。 女は言う。 「ありがとうございましたぁ~。お時間大丈夫でしたら、お礼にお昼御飯ご馳走します。いかがですかぁ~?」 そして、殿方は言うだろう。 「是非!」 なぁ~んて自然な出会いの技なのだ。 いやいや、待てよ! でも、それでは殿方が既婚者で、危険かも知れない。 なので、又々… 独身女は閃いた。 こっちの技はどうだ!? マイクを持ち、腕章を付けた女! 大企業が集まる大都会の、ランチタイムを狙って、ビルディングをウロウロする。 自分のタイプの殿方を見付けたら、 「お忙しい所、すみませ~ん。少しお話良いですかぁ?お仕事は、なんですかぁ~?」 マイクを持った女に、殿方は、 「エンジニアです。」 マイクを持った女は聞く。 「ぶっちゃけ、年収はいかほどでしょうか?」 4択のパネルを見せて、指して貰う。 なるほど!3番か! そして、女は聞く。 「結婚はしてますか?」 殿方は「いえ、独身です。」 女は言う。 「ワォ~。私も独身なんですよぉ~。運命かもですねぇ~。ならば是非結婚しましょう。」 なるほど!これなら、ものすごく自然だ。 女は、どんな婚活が良いのかを、日々想像力を働かす。 今回の、毒珍女の☆閃き☆は、完璧だ。
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