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男②④
ベストセラー作家として、有名になってしまった男は、悩んでいた。
締め切りは、明日だ!
(マズイ、何も浮かばない。)
気分を変えてみようと、鉛筆を指でクルクル回す。
何も浮かばない。
今度は、消しゴムの汚れが気になり、汚れを真っ白な原稿用紙で、消し取ってみる。
回していた鉛筆はHB。
なので、鉛筆をBに持ち変えた。
あの日…と書き出す。
(ダメだ!)
キレイに白くなった消しゴムで、又消す。
鉛筆の芯が濃くなった事で、消しゴムは真っ黒。
小説家の男は、又消しゴムを、真っ白にキレイにしてから、今度は鉛筆をHに変えた。
書き出す。
(薄くて見えない。)
老眼が入ってきた小説家の男は、頭を抱えた。
気分が乗らず、パソコンを開く。
ネットを繋ぎ、何気にシロートの作った小説を読んでみる。
(な、なんだ!シロートのくせに、この発想は、なんなんだ!?)
かなり驚く。
そして、
(これは使える!)
シロート作品を、パクった小説家の男。
その後…
シロート作品だと思って、パクった小説家の男は、盗みの罪で捕まった。
シロート作品だと思っていた小説は…
な、な、なんと!
あらゆる賞を総嘗めした、有名な小説家の女の作品だったのだ。
と、いう夢を見ていた女は、気持ちよく目覚めた。
正夢か。
フフフ、私…小説家なれるな。
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