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男②⑤
司会進行の男は、原稿に目を落としたまま、ぶっきらぼうに言った。
「本日は、先生をお呼びしての、デリカシーに欠ける男どもに、思い遣りというものを教える、公演だそうです。」
垂れ幕には、
【思い遣り溢れる大切な言葉の掛け方】
と、出ている。
司会進行者の男は言った。
「それでは先生をお呼びしますので、盛大な拍手で、お迎え下さい。」
パチパチィ~。
会場のやまぬ拍手の中、先生は登場。
司会進行者は言った。
「先生、お名前は?」
先生は言った。
「私の名前は、カルメンでっす~♪あ~、もちろんあだ名に、決まってマウス~♪」
と、ネズミのカチューシャを付けての登場。
会場は、ドカンドカンと大爆笑。
カルメン先生は言った。
「そこのデリカシーに欠けた、お前達~。耳垢全てかき出して…
うん!?違うな!
耳穴かっぽじて、よくお聞きぃ~。では、イケてない男よぉ~、出てきやがれ!」
イケてない男が出てきた。
イケてない男は言った。
「ぽっちゃりしてるから、胸大きいと思ってたのに残念。」
カルメン先生は、男を睨み付けて、下半身をチラ見して、吹き出しマークのプラカードを出す。
(体大きいから、下も大きいと思ってたのに、ざぁ~んねん。)
イケてない男は、少し泣きそうな顔になった。
イケてない男は言った。
「上半身の膨らみ見えへんけど、下半身立派やな。」
カルメン先生は、男を睨み付けて、下半身をチラ見して、吹き出しマークのプラカードを出す。
(お腹の膨らみ立派やけど、下半身全く見えへんな!)
イケてない男は、瞳をウルウルさせ出した。
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