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そして厄介な事に、この“記憶の断片”と呼ばれるものは、
他者とある条件で、関わる事により、強く思い出す場合もある事がわかった事で、
より強い力を得たい者達が、争いを始め 世界は、大きく変わってしまった。
しかし、僕も凪も、魔力は、発動しなかった。
もしかしたら、この記憶は、本当に起きた事なのかもしれない。
「そろそろ時間だ。」
凪は、滅びた故郷に進み始めた。
僕は、凪の行く先々に、ついていく。
この1年は、ずっと凪と共に生きて 生き残ってきた。
凪について行けば、この世界で生き残れる。それが正しい事だ。
今日も、小さな捜索が終わり、故郷に帰る。
この街では、僕等と同じく魔力を持たない人々が、こっそりと隠れて暮らしている。
家族とはぐれた人たち。
家族だったもの達が、家族でなくなってしまって取り残された人たち。
他の街から逃げてきた人たち。
だから、皆。
協力し合い 生きてきた。
これも凪が、指揮って この国で、助け合う環境を作ったからだ。
だから生き残れた。
しかしこの日。
突然、安全な故郷の環境が、変わった。
街の中心が、騒がしい。
脅える住民たちの視線の先に、蹲(うずくま)る男。
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