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「お、お姉ちゃん」
ニーナも私が何しようとしてるのか伝わったらしく、涙目で私を見上げた。
「大丈夫……先に帰っていなさい」
そう言ってスカートを脱いで、月光に映える白い下着をさらけ出して、妹を掴んでいる男の方へ歩む。
男達の誰かが甲高い口笛を一つあげた。
「へっ!それが本当なら早くするんだな!あんまりちんたらしている様だと、お嬢ちゃんにも手が伸びちまうかもしれねぇぜ?」
妹から手を離し、私の肩に黒く煤けた手を伸ばす、この野盗共を、取り仕切っていると思われる男。
押し倒される。そう思って目を閉じて身体を強ばらせてしまう私。
辛い時間は今だけ。いつか終わる。……でも終わった後で殺されるかもしれない。
それでも……ニーナの為なら。
いつまで経っても、薄汚れた手が私の身体に触れることは無かった。
不思議に思って薄目を開けると、リーダー各の男は地面に伏していた。
「だ、誰だ!?」
男達がそれぞれ周囲をキョロキョロとして、狼狽えていた。
「どこにいる……!出てこ……がはっ!」
私には何が起こっているのか未だにわからない。
理解しない内に目の前の男がまた倒れ、動かなくなる。
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