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「あそこだ!建造物の上だ!」
一人が天を指さしてそう叫ぶと、私も含め、皆上を見上げた。
「巨人像……?」
妹の口から言葉が零れた。
月光の元、いつからそうしていたのか、兎のような逆関節の脚部と、人の手を模した左手を建物の縁手を掛けて、建物の壁に張り付く様にして、右腕に持った銃を向けていた。
そして開いた胸の装甲から、狙撃銃を構えた人影が一つ。
「違う……巨人像の幻霊だわ」
幻霊師。古代兵器を虚空から生み出す術を持って生まれた特別な者。
狙撃するための低い姿勢を解除して、正体不明の幻霊師は立ち上がり、息を深く吸ったのがわかった。
「山賊ども!死にたくないなら今すぐ失せるんだ!」
幻霊師が叫ぶ。
「ひっ……ひ、ひぇぇ!」
「野郎、覚えてやがれ!」
口々に捨て台詞を吐いて、山賊達は闇夜へと消えて行く。それを充分見送ると、
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