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齢はまだ僕と同い年か年下に見えるのに、しっかりした人だと僕を感心させた。
ここまで誰かに敬意を払われたのは初めてだ。
彼女達にどう対応していいか悩んでいると、妹が外を見て、青い目を細めた。
そちらに目をやると、朝日が建物の影から顔を出して、僕達を照らした。
もう一日経ってしまった。クローディーの仲間が僕の事を心配してはいないだろうか。
可及的速やかに、任務を完遂させないといけない。今はとにかく時間が惜しい。
「……さて、これからどうします?僕は任務があります。君達をこのまま護衛するなんて事は、悪いけれど出来ません。今すぐで良ければ、遺跡群の出口までなら着いて行けますが? 」
すると、また同じ様にソフィーリアは首を横に振った。
「もし、ご迷惑でなければ……貴方様とご一緒させてください。私達も目的があってここに来ました。貴方様に迷惑は掛けません。どうぞ、行きたいところへ赴きください」
「あの、差し支えなければ目的って何なのか教えて欲しいんですけれど」
ソフィーリアは右手をお腹の当たりで左手で組んで少し視線を逸らして、ポツリと呟くように
「……それは、残念ながら出来ません」
とだけ言った。
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