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とにかくそれは橋の上から跳ねるように飛び上がって、翼を開き、エルに向かって飛んで行った。
「や……やめろぉぉぉお!!」
僕は叫んだが、エルに向かって飛んだそれは対空砲火の光線を掻い潜って、振り向きもしない。
船から聞こえる悲鳴が一層大きくなり、そいつの両手の銃から光線が放たれ、船体にひしめく人々を薙ぎ払う。
さらに羽虫が四匹ほど加勢に加わると、間もなく戦艦エルは大きな炎をあげた。
そして間もなく、機首からゆっくりと入水して行った。
半分程浸水した時、絶望と恐怖に染まった生き残った人達を……僕の母を、父を、まだ八歳の妹を吹き飛ばす程の大爆発が起こり、二つに折れてゆっくり沈んで行った。
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