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 今まで私の説明を聴いてくれた名前も知らない君――一応お礼は言っておくよ。  なにせ…………ん? なんだい? 何か言いたいことでもあるのかい?  だけどスマホのバイブ機能さえも真っ青なその顎の動きじゃあ、とてもじゃないけど話せないだろうに。  だから私が代わりに言ってあげよう。 『私達を殺すの……!?』――だろう?  いやいや、別に殺しはしない。  あー……でも結果的に言えばそうなるのかな? まあ、どうでも良いことだ。  今、コイツと君を殺すのは実に簡単だ。霊体がこれほど有難いと思ったことはないほどにね。  でも、ただ“呪い殺す”だけじゃあ、私の気が収まらない。私の心は、感情は……人生は――コイツのせいで壊れてしまったんだから。  こうして自分の手で殺して『はいお終い!』ってわけにはいかないだろう?  だから私もコイツと同じようにする。無論……君もね?  ほら、この状況で気づくことはないかい?  私が絞めつけているこの首――普通に時間的に考えれば今頃窒息死してもおかしくないのに。  なんでまだコイツは生きているんだろう? ――って。
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