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ここまでヒントを出したんだ、ここで答えてくれないと出題者にしては困るよ。
………………。
………………………………ああ、残念だ。時間切れ、シンキングタイム終了だ。
君もコイツも、答えが気になっていることだろうから、もう言ってしまうよ。
『酸素不足に陥った人間の脳は壊れて障害が残る』――これが答えだ。
そうだ、私は“わざと”コイツを殺さずに喉を絞めつけてこうして酸素だけをほんの少しだけストップさせている。
こうすることで呼吸は出来ず、脳に行く酸素は不足し、ゆっくりと脳細胞は壊れていくからだ。
脳細胞が壊れれば、人間の思考、認識……その他がどうなるかは、学校を卒業した君なら分かるだろう?
その重さにもよるが、重度ならばまともな生活なんか送れないさ。
それこそ死ぬまでね?
死にたい――そう思っても体は動かない。体に指令を出す組織自体が壊れているんだから、それは当然だ。
殺してくれ――そう言いたくても、この国では例え医者であっても、例え本人の願いであってもそれは出来ないんだ。
まさに生き地獄――滑稽だね。
私はそれを望んでいるんだ。
君達二人が廃人のように苦しみながら生き続けることが。
君達二人が後悔しながら生き続けることが。
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