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プロローグ・お嬢さんへ
たとえば、真夏の坂にゆれる逃げ水だとか。
たとえば、冬のいっとうはじめに降る雪だとか。
そういう、近づくと消えてしまいそうなものばかりで周りはできていると思っていた。だから何も傷つけないように、抜き足差し足でそっと歩いて行こうとしていたんだ。
だけど、お嬢さん。
君がひらりと鮮やかに姿を消してしまった今だから、正直に言える。
俺にとってお嬢さんは、早咲きの桜のひとひらのようでした。
────憧れるほど、大好きでした。
~犯人さんとお嬢さん~
The grass is always seems greener on the other side of the fence.
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