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「今日から、バスケに参加してくれる朝比奈くんだよ。高校総体では俺の代わりにキャプテンをしてくれるんだ」
「朝比奈です。よろしくお願いします」
次の日から、俺はバスケの練習に参加することになった。本当は本番だけして、辞めようと思っていたけれど、「それは駄目だ。練習に参加してくれ」と瑞希先輩にお願いされたので、渋々参加する事になったのだ。
数人の拍手を耳に、自己紹介をする。沙樹だけが、満面の笑みで大きく拍手してくれたので、良しとしよう。
「早速練習始めるぞー」
「おす」
元気の無い返事が聞こえてきて、来ていきなり不快な思いになる七世。
(西条はもっと返事が良かったのに…)
先輩が声をかけて来て、そんな気のない返事を返すと、前は怒られていた。でも、ここにはそんな理由がないのか。
(…一応、俺はキャプテンなんだ。まずは部員の偵察をしよう)
最初は一年生の島だ。島、というのはまとまりという事である。体育館に入って手前が一年生、左側が二年生、右側が三年生という島になって練習をしている。
ざっとバスケ部全員の部員は、十四~五人くらいだろうか。
一年生の方へと足を運ぶと、ドリブルの練習をしていた。人数は六人のようだ。俺が来ると、一人の男子生徒がちょこちょことやって来た。他の男子は全員横目に俺を見るだけ。
「先輩、初めまして!」
ぴょこんとまるで兎のように俺の視界に入ってきた男。栗色の髪の毛にパーマをかけているのか、くるくるとした毛先。
水色のビブスを着た一年生だ。
「ああ。初めまして」
丁寧な人には丁寧な返事を返す。
「俺、一年の志田歩登って言います!よろしくお願いします」
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