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七世はもう一度教科書類をバッグに詰め込み、教室へと戻った。当然しまっている教室。窓から中を覗こうとするが、七世の席は窓側なので、廊下側からは全く見えなかった。
「嘘だろ~…」
本当、頭を抱えたい。こんなドジする日が来るだなんて。
「教室には、ないか」
そういえば、鞄の中に入れた記憶がある。俺は大きなため息をついて、諦めて帰ろうとまたまた昇降口へと歩いた。
だが、もう昇降口は人のたまり場になっていたのだ。汗臭い匂いがその場を充満する。どうやら探している間に体育館関係の部活は終了したようだ。
あのお団子の中には行きたいと思わないので、少し離れた所で立ち尽くす。
「あれー。七世だー」
急に名を呼ばれたかと思えば、朔先輩が軽く手を振ってこちらに向かって歩いてきていた。さっきまで戦っていた相手なので、なんとなく身構えてしまう。
「帰ったんじゃなかったのかー?」
「あ、は…えっと…はい…」
しどろもどろに返答してしまい、頬を引きつらせながら笑う事しか出来ない。先輩はそんな俺に何かを察したのか、「どしたの」と聞いてきた。
助けてくれるかもしれない、と根拠の無い考えを元に俺は先輩に話してみるとした。
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