さっそくだが私は君に秘密にしていたことがある。

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完全に勘違いされていたが、私の見立てではあれは照れに照れた男子が思わず勘違いしたフリをしたに違いない。 すでに今頃、彼の頭のなかは私で一杯のはずだ。おそらく学校のなかでも事あるごとに私の顔色を確認するか、あるいはその逆で一切の接触を断って平静を装おうとするのだろう。 最後に彼を見たのは……そういえば掃除当番一緒だったな。 ええと、ほんとに何も気にしてなかった気も……しないでは……ない……ような? いいや、そういうのは朴念仁とか木石とかいうんだ。 私のようなクラスメートが好意を示したのだから三日三晩眠れずに衰弱するのが礼儀だろう!? 衰弱されたら困るけども。むー。 よし、昔のオトコのことはきれいさっぱり忘れてやる。 むしろ今日はそのための計画だ。実はもうターゲットは見繕ってあるんだ 気になるか? ならない? たまには気にしてもいいぞ。 さて、私は今回、秘密を打ち明けるという建前で話しかけてみようと思う。 ミステリアスさをアピールするってアプローチだ。 年齢的にはまだ早い気もするが、私の積み重ねた妄想、もとい執念の裏打ちがあれば見事にいなすことができるだろう。 ああ、男女の間において秘密と言うものは、どれほど魅惑的で蠱惑的な存在であろうか! 私はこの作戦において、影のある女となる。     
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