私が死んだ理由

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今日は晴れたからグリーンの傘を挿して歩いた。 すると、 「忘れ物ですよ。」 って声掛けられたから振り向くと 小さなカエルだった。 「私、何か忘れてました?」 そんなはず、無いんだけど。 すると、カエルは 「ええ、雨を。雨を忘れていますよ。」 と言って空を見上げた。 ポツポツポツ。 グリーンの傘に水滴が当たり雨音が演奏を始める。 「ああ、雨を、雨を忘れてましたか。それはどうもありがとう。」 私はカエルから雨を受け取った。 グリーンの傘に雨粒が当たっては滑り落ちていく。 まるで青々とした葉から零れ落ちる水滴の様に。 それは私の心に癒やしを与えてくれると同時にあの激しく雷が鳴り響く雨の日を思い出す。 私はほんの少し息をいつもよりゆっくりめに吐いた。 「私、少し息が詰まってたわ。」 けれど、カエルはもういなかった。 どこにも。
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