神武貴士

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 でも流れ星のおかげか、貴士は今かなり勇気が出ていた。  菫に自分のどこが好きなのか訊かれ、できる限り答えた。一生分の勇気をふりしぼった気がする。  だから貴士も訊くことができた。 「比嘉こそ……俺のどこがいいの? 俺、自分でもつまんないヤツだと思うし」    菫が真っ赤な顔で少しうつむいているのを見て、貴士まで汗が出てきた。 「あ、いいや。俺もはずかしくなってきたし」 「みんなが嫌がること引き受けるところ」 「え?」 「資料室の整理とか、側溝の掃除とか……」 「ああ、あれ。背だけはあるから昔から整理するのに呼び出されるの慣れてるし、側溝は練習場所のすぐそばだったから、自分が綺麗にしたかっただけだし」 「私が困ってるのとか、具合が悪いのとかすぐ気づいてくれるし」 「…………」  それはさすがに貴士も答えられなかった。いつも彼女を気にして見てるからだ。 「あのね、な、夏休みって、ずっと部活なの?」 「いや、休みの日もあるけど……比嘉こそ、野球部の応援行くんじゃないの?」  貴士はハイジャンプが好きだが、たまに野球部が羨ましくなるときがある。菫に(吹奏楽部に)何時間も演奏してもらえるからだ。     
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