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『右城清、独身最後の食事会』は感動的に終わった。
笑いあり、涙あり、サプライズありの宴で幹事をしてくれた親友の夏実には感謝しかない。
フィンランドで行う結婚式はゲストの負担を考えて親族婚にしており、お披露目会はきちんと行うがもう少し先の予定だったため『独身のうちに心置きない友達だけの会を先にしよう』と夏実が提案してくれた。
当初20名くらいを想定していたが、いつのまにか80名以上が参加になっていて、急遽すすきの駅近くのオープンしたてのイタリアンバルを貸し切った。
わずか3時間程でおめでとうという言葉が絶え間なく贈られ、涙を堪え切れなかった。自分が恵まれている幸せと、3日後に結婚する実感がより一層強くなった。
問題はここからだ。
皆と別れて、大人しく家に帰れば良かった。小樽に帰って1人娘の旅立ちに寂しがっている両親と過ごせば良かった。
宴の感動を彼に共有したいなどと考えるからロクでもないことになるのか。
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