0人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は紗のかかったような雨が降る晩で、この街で一番愛された女の最後にはふさわしくなかった。
ハイヒール、秘密、お金で出来たような女ー…
◇◇◇
朝、昨夜の雨が嘘みたいな清々しい時間を野太い声がさく。
「ー…!?か、カレン?さん?な、なんで?」
死んで皆に愛されて逝ったハズのカレンが何故か家にいる。
英国ブランドだったか忘れたが愛用のハイヒールをガッツリ履いて。
夜の蝶なのにどこか気品すら漂うドレスで仁王立ちして、
いけたかだかと告げた。
『おめでとう、篠原栄人。君は今日から魔法つかいだ』
ーー??
『あー、あれだ。元々素養は有ったし日本のささやかな伝説を叶えた結果でしょ』
栄人は沈黙し声をあげず悲鳴をあげた。
『ところで良いか?新人魔法つかい。私はカレン。どうやら心残りが強すぎて成仏出来そうにないんだ』
『私はお金が好き、困らないくらい欲しいの、だから栄人くん、これから私と一緒に困らないくらいのお金を稼ごう!』
神様仏様、俺はこれからどうなるのでしょう?
最初のコメントを投稿しよう!