30歳、童貞魔法つかいって伝説でしょ?!

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その日は紗のかかったような雨が降る晩で、この街で一番愛された女の最後にはふさわしくなかった。 ハイヒール、秘密、お金で出来たような女ー… ◇◇◇ 朝、昨夜の雨が嘘みたいな清々しい時間を野太い声がさく。 「ー…!?か、カレン?さん?な、なんで?」 死んで皆に愛されて逝ったハズのカレンが何故か家にいる。 英国ブランドだったか忘れたが愛用のハイヒールをガッツリ履いて。 夜の蝶なのにどこか気品すら漂うドレスで仁王立ちして、 いけたかだかと告げた。 『おめでとう、篠原栄人。君は今日から魔法つかいだ』 ーー?? 『あー、あれだ。元々素養は有ったし日本のささやかな伝説を叶えた結果でしょ』 栄人は沈黙し声をあげず悲鳴をあげた。 『ところで良いか?新人魔法つかい。私はカレン。どうやら心残りが強すぎて成仏出来そうにないんだ』 『私はお金が好き、困らないくらい欲しいの、だから栄人くん、これから私と一緒に困らないくらいのお金を稼ごう!』 神様仏様、俺はこれからどうなるのでしょう?
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