きみの景色がみたい

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(まあ、今の晴川くんにそんなことされても困るっていうか)  授業中、ななめ前に座る本人を見る。  どれだけ真剣だかわからないけど、一応まじめにノートをとってるみたいだ。  あたしの気持ちなんて知らずに。  晴川くんのことを好きになったのは3年前の秋。  そのころのあたしは、今じゃ考えられないほどの空気的存在。友達ゼロ。同じクラスで人気者だった晴川くんを、教室のすみから盗み見るのだけが生きがいだった。  イケメンで性格もよくて。勉強は普通くらいだけど、そのかわり運動神経は抜群。明るくてノリもいいから、女子以上に男子から人気があった晴川くん。  いつも友達に囲まれてる中心人物。なのにイキって悪ふざけなんかしたりしない。まさに、あたしの理想の人。  だから、どうしても一緒の高校に行きたくて。家から遠い志望校だからって、なかなか賛成してくれなかった親を死にものぐるいで口説きおとした。  ストーカーって言われそうなエピソードだけど、それだけ本気で好きな証拠。  晴川くんのためなら、あたしはなんだってやれるんだ。
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