きみの景色がみたい

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「ねえ」  と声をかける。  窓ぎわの席、頬杖で外を眺めていた晴川くんが、あたしのほうを向く。  まつげ長めの、ちょっと猫っぽい目にじっと見つめられて、心臓がバクンと脈打った。  こんなに真っ正面から晴川くんのこと見たの初めてだ。  やばい。嘘みたい。めちゃめちゃカッコイイ。奇跡。……じゃない! あたしは今、怒ってるんだ! 「どうしてそんなふうになったの」  気をとり直して続ける。  あたしの言ったことがピンとこなかったらしく、晴川くんは首をかしげて、 「なにが?」  久しぶりに聞いた声。懐かしさと愛しさで、胸がキュッと締めつけられる。  しかも、なにそのリアクション。無自覚にあざとかわいい。ずっと見てられる。……じゃなくて! あたしは怒ってるんだってば! 「中学のときはちがったよね。なんで今ぼっちなの」  直球な質問。晴川くんは答えない。窓からの風が、そのナチュラルなこげ茶色の髪を揺らすだけ。  すごいサラサラ感。え、むり。好き。好きすぎてつらい。死ねる。……じゃないんだって! あたしガチに怒ってんの!
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