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「ちょっと、ちょっと待って」 私はありったけの声を出して、この声が聞こえるかどうかはわからないが、一か八か、若い男に声をかけた。 「は、はい!?」 若い男は怖々返事をしてくれた。 どうやら”視える”だけでなく、彼には私の声も”聞こえる”ようだ。 「私のことが視えるよね?私の声も聞こえるんだよね?」 「は、はあ…」 若い男は怖々そう言うと、凍りついたようにその場で固まった。 無理もない。 目の前に、この部屋で死んだ男の亡霊が立っているのだから。
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