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「ふつう、被害者くらいは真犯人知ってるでしょ」
「犯人がわかってるなら、とっくにそいつに化けて出てるよ」
「だからって、替わりに僕に化けて出られてもね」
「この部屋に来たら、たまたま君が入って来ただけなんだよ。驚かすつもりはなかったんだよ」
「それで話っていうのは?こんな雑談でいいんですか?」
「ああ、いや、だからさ、私を殺した真犯人を探してもらいたいんだよ。まあ大変だと思うけど」
「大変ですよ。つーか無理だから」
「そこをなんとか」
「無理無理無理無理」
「それじゃあ私は首吊り自殺で処理されて終わりじゃないか。頼むよ。やってくれないと化けて出るよ」
「だからもう出てるから」
「じゃあ煮て食っちゃうよ」
「そんな初期設定ないでしょ、幽霊に」
「まあね。でもここは、被害者の無念を晴らすため、一刻も早くホシを上げる!べきじゃないのかね」
「私、大岩純一捜査一課長じゃないですから」
「頼むよ、一課長。被害者の無念を晴らすため、一刻も早くホシを上げる!」
「だから一課長じゃないから。今、ハイ!って大声で言わそうとしたでしょ。別に「捜査一課長」毎週見てないから」
「そうか「相棒」派か。残念」
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